チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

ポスターツアー&相互評価を実施

3年生物の授業で、マグネットテーブルからスタートした「生物の系統」のポスターが出来上がり、本日ポスターツアーによる発表会を行いました。手順は次の通りです。
 
① それぞれのポスター制作班(2〜3名)のメンバーが1人ずつ集まったポスターツアー用の班(5名)を再編成する。
 
② ポスターツアーの流れや、発表時の評価項目の再確認を行い、より良い発表が行えるにする。さらに、聴く側の生徒もしっかりと聞きその中で自然と質問が出てくることを意図して、リフレクション時に自己評価する「傾聴力」のルーブリックの項目を確認する。
 
③ 発表5分、質疑応答2分で、次々にポスターをまわっていく。このとき、自分の班のポスターのところに来た際に、発表を行い、他の生徒はしっかりと聴く。これを繰り返して、すべてのポスターをまわる。
 
④ 班内で相互評価をする。その後、リフレクションカードへの記入し、今回は傾聴力について自己評価する。
 
 
ポスターツアーは、初めての試みでしたが、3年生ということもあり、思ったよりうまくいきました。少ない人数でまわっていくために、程良いい緊張感を保ちつつも、途中であちこちから歓声が上がるなど和気あいあいとした雰囲気の中で発表会が進んでいきました。
 
発表時の相互評価の基準については、事前に生徒と作ったものを用いました。これは、生徒と話し合いながら考えたものです。
 
 (1)適切な態度(笑顔、声の大きさ)で分かりやすい発表が行えているか?
                                                                                             1  2  3
 (2)質問に対して、適切に応答していたか?      1  2  3
 
 (3)他の発表者に対して、適切な質問が行えていたか? 1  2  3
 
 (4)ジャスチャーを交えたりポスターを指し示したりしながら、聞き手を見て発表をしていたか?                                                 1  2  3
 
 (5)時間通りに発表が行えていたか?               1  2  3
 
相互評価については、集計をする中で、概ね発表者の状況を反映していることが伺えました。しかしながら、評価の精度がブレる生徒が少数でしたがいたため(評価があまい)、評価を行う訓練をもう少し実施していきたいと思うのと同時に、批判的思考力を高めるための取り組みが必要だと感じました。
 
なお、ポスターと発表についての相互評価の結果は、それぞれに返して自己評価とのズレや評価基準とはとの照らし合わせによる振り返り(分析)を実施してみようと思います。
 
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(参考)使用した「傾聴力」のルーブリック評価(経済産業省の社会人基礎力を一部改変して使用)
 
【Sランク】〜通常の状況で効果的に発揮できる。また、困難な状況にも対応できる〜
◯ 話を聞くときは、きちんと相手の話に耳を傾け、相づちやうなずきで話を引き出すようにした。
◯ 相手の表情や態度から気持ちを考え、状況を把握しながら話を聞く態度を作ることができるようになった。話を聞くだけでなく、聞きながら要点を整理するように心掛けた。友達や先生に、いい質問だと言われることが何回かあった。
◯ 厳しい質問を受けても感情をコントロールし人の話を素直に聞けるようになった。
 
【Aランク】〜通常の状況で発揮できる〜
◯ 話している人が何を伝えたいのかに想像力を働かせ、言葉を補う等の配慮をするようにした。関心がある場合にはよく聞いている自信があるが、それ以外の話題だときちんと聞けていないことがあった。
◯ 内容を理解し、質問を返すことができるようになってきた。しかし、理解はしているが、きちんと納得までできないこともあった。
◯ 相手の話を呑み込んで解釈、取り入れることはできるが、「何を質問するか」までは考えがまわらなかったり、「検討はずれなことを聞くことにならないか」と怖気づいてしまうことがあった。
 
【Bランク】〜発揮できなかった〜
◯ 相手の話をさえぎって、自分の意見を話してしまうことがよくあった。
◯ 話をじっくり聞くのが苦手で、特に反対意見を言われるとイライラが顔に出てしまい、相手にも気づかれることがあったと思う。
◯ 自分の意見を完全に否定されると、聞く耳を持てなかった。