チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

生徒の解答を利用した選択問題の工夫 -共通テストを見据えた考査後の解説-

かなり久しぶりの授業実践の更新となります(書き方を忘れかけていました…)。

 

3学期制の学校では、2学期の期末考査が終わる頃でしょうか?みなさんは考査後の解説はどうされていますか?わたしが中学生の頃には、答案返却前に先生が解説をされる場面が多く、「点数が気になって解説が全く入ってこない!」と思っていました。

 

しかしながら、テスト返却の時間は、学習を次に繋げる貴重な時間となります。わたしの授業では、通常は振り返りの時間としています。しかし、3年生は、最後の定期考査後は、いよいよ共通テストとなります。次のテストについての振り返りも大切ですが、3年生は異なる方法でテスト返却の時間を使ってみることにしました。

 

【準備】

  • 採点時に正答率が低かった記述式の問題2つについて、生徒の代表的解答4つをそれぞれ選び、選択肢の文として整える。
  • 「大問3(4)の解答として最も適切なものを選べ。ただし、それ以外の選択肢には、不正可となる理由を簡潔に記入せよ。」というリード文の後、①の4つの選択肢を配置する。
  • さらに、大問のテーマを記入する欄も設ける。

 

【授業の流れ】

  • 最初に準備したプリントを個人で解く
  • ペアもしくはグループでディスカッションして、検討を進める。
  • まずは答えのみを伝え、その理由については引き続き考えるよう促す。
  • テスト返却と間違い直しの指示。
  • 終盤でプリントに従って5分~10分で、解説。問題のテーマや選択肢の検討方法を紹介する。

 

解説の際には、その問題の解答を伝えるだけでなく、問題を通して何を考えてほしいのか、テーマや出題者の意図を読み取ること、各選択肢の誤りのパターンを中心に説明をしました。

 

最初のディスカッションでは、それぞれが考えていた選択肢があるため、意見も分かれ、話し合いも活発に行われていました。解説では、「不足」「言い過ぎ」「理由の相違」「事実と反する」「テーマとの相違」等、生物だけでなく汎用的な説明を行いました。

 

普通に解説するよりも生徒のニーズに即した解説を行うことができ、反応も良かったです。終盤には、生徒が「試験勉強中に思い浮かんだ疑問」を紹介し、最新の論文を利用してその解答を私自身が考えたエピソードを話しました。授業後は、関心の高い生徒が集まり自分自身のアイディアを話していました。今後もこのような活動を日常的に行うための工夫を考えていきたいと思います。