チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

学習プロセスの振り返りのための1枚ポートフォリオ~シングルポイント・ルーブリック~

わたしの授業では、重点項目として「内容理解・知識整理」、「疑問を見つける」、「知識の活用」、「協同的に学ぶ」を挙げています。これらは、授業デザインの中で意識しているものであると同時に、授業を通して伸ばせる部分だと考えています。

 

そして、この4項目について、授業用のルーブリックを作成しています。このルーブリックは、教師が生徒を序列化するためのものではなく、より良い活動の「足場掛け」として生徒が目標としたり、自己評価をするために用いるものとなります。

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最近の「学習プロセス」の振り返りも、このルーブリックに連動するカタチになっています。OPPAの表側は、「学習内容」についての振り返りとなっていますが、裏側でこの学習プロセスの振り返りができるようにしています。

 

(OPPAの表側について)

1枚ポートフォリオを2枚に!?~授業に不安を訴えられたときの対処法として~ - チームで学ぶ!高校生物

 

なお、1年次と2年次では、試験的に利用するプリントを使い分けています。1年次は以前から使っていたものとほぼ同じカタチになっており、4項目を意識した自分自身の目標を1つだけ設定し、それを見直し、4項目については3段階で自己評価するものとなっています。f:id:jugyo_coevolution:20180428114928j:plain

2年次で利用するものは、「シングルポイント・ルーブリック」と言われるものです。主体性の向上には次の4点を生徒自身が説明できることが大切だといわれています(Fluckiger, 2010)。①どこへ向かっているのか、②現在どこにいるのか、③どのようにすればそこへ到達できるのか、④上達の方法を知っている。これらを1枚の紙で実施できるのがシングルポイント・ルーブリックとなります。

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具体的には、ルーブリックの「良い」の記述を1点のみを「基準」として示し、4項目の基準に達するためには、「①どのように行動するのか」を目標として記述します。活動が終わった後は、4項目の3段階評価に加えて、「②基準に達したとき」、さらに「③基準以上に達したとき」の行動を記録していきます。ここでは、成長に上限を設けない工夫も施されています。

 

今後、より効果的な手立てや実施のタイミングについて、校内ワークショップで取り上げるなど、先生方とも検証していきたいと考えています。

 

【参考文献】

Mizokami (2018) Japanese journal of biological education 59(2), 104-107

Fluckiger (2010) Single Point Rubric: A Tool for Responsible Student Self-Assessment. Delta Kappa Gamma Bulletin, Vol.76(4), 18-25