チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

「アクティブラーニングに役立つ!看図アプローチ」研修会

本学習会主催による鹿内信善先生をお迎えしてのワークショップを実施ました。

鹿内先生は、中国発祥の看図作文を、再構築・発展させた第一人者です。私自身は3回目の鹿内先生のワークショップでしたが、いくつもの新しい気付きを得ることが出来ました。

はじめにアクティブラーニングとは、生徒の脳にスイッチを入れること、そして脳を気持ちよく回転させ、ソフトランディングさせながら学習を進めることであり、教員の役割はそのための工夫を施すことであると話されました。

まさに、その言葉通り、心地よい脳の回転を自分自身が体験することができ、あっと言う間の3時間でした。

ワークショップでは、ラウンドロビンやバズ・セッションといった協同学習の基本的な手法が用いられ、基礎的な部分から看図の本質的理念に及ぶ部分など、ざまざまなニーズに応えるための工夫が散りばめられていました。

看図アプローチのエッセンスとして
・曖昧性を含んだビジュアルテキスト(絵、写真)
・もっともらしい理由がある2~4の選択肢(予測-確認という過程を取る)
・身近で意外性のある題材
が挙げられていました。このエッセンスは、看図アプローチ以外でも、授業の柱となる成功する問いを作成する際のヒントになりそうです。

また、問いが命であることは、オープンエンドで終わる際の問いづくりでも確認することができました。

つまり、問いが練られていないと曖昧な答えしか出ずに納得感が得られない、それぞれの中でクローズとならないということでした。

また、授業のプロセスを通して、思考のプロセスを体験させること、問いを作る際には、子どもと同じように考え、頭が心地よく動けるように考えていることも紹介されていました。

その他の学びや気付きとしては
・指名をする生徒を、まわりながら見つけておく(ストーリーを流す)こともありそう
・アイスブレイクでは、話の深さを揃える工夫をする
・選択肢を作るときには、本命は2つだが、子どもの自由な発想のために選択肢を加える
・見るという活動は学力差を消し、様々な子が活躍できる可能性がある
など様々なものを得ることができました。

今回は、看護教育での教材が用いられていましたが、ここでは「看護教育」「看図の手法」「プロフェッショナルの素晴らしさ」を学ぶことが出来ました。このような視点で教材を集めることで、本当の意味でのキャリア教育ができる可能性を感じています。

さらに「生命、つまり自分自身や他者、他の生き物を含めた環境の素晴らしさ、偉大さ」に気づいて欲しいという生物教師としての思いを、看図の手法を効果的に用いることで実現できるのではないか思いました。

今後、有志で集まり(リアル・オンライン)、教材づくりのためのワークショップも企画していきたいです。