チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

1枚ポートフォリオを2枚に!?~授業に不安を訴えられたときの対処法として~

1年生で「生物基礎」を勉強していた頃は、1単元の約授業4回分で1枚のポートフォリオ(OPPA)となっていました。そのため、4回授業が終われば、OPPAの「総括的評価」の課題に取り組んでいました。ここでは、一人ひとりの記述を授業時間内にすべて一対一で見ていきます。その中で、理解が不足している部分をフォローしたり、簡単な口頭試問をしたりする中で、柱となる内容を確実に習得していくことを目指します。

 

(OPPA以前の記事)

1枚ポートフォリオ(OPPA)のジレンマを越える2つのアイディア~授業デザイン会の成果として~ - チームで学ぶ!高校生物

 

毎回、全員が合格していきますが、この時間は単元全体を俯瞰したり、理解がうまくできていなかったところを再度見なおしたりする「振り返りの時間」にもなっています。吸い続けてきた息をいったん吐くような時間とも言えるかもしれません。

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新学期が始まり、2年生の「生物」がスタートして20日程度が過ぎました。急に内容が難しくなることに加え、授業スタイルが変更したことで(1年次他クラスの場合)、OPPAの毎回の振り返りの感想欄に、数名から不安を訴えるような記述が出されました。程度の差はありますが、毎年起こることで、ここでは丁寧なフォローをすることを意識しています。

 

特に気になる生徒のOPPAの感想欄には、個別にコメントを付けて、フォローの方法を伝えたり、思いを直接聞いたりする中で、授業の進度を調整すること等を提案する場合もあります。

 

これとは別に、最近「生物」のOPPAについて気になっていることがありました。それは、「生物基礎」と異なり、「生物」は1単元の内容も多いため授業8回で1枚のポートフォリオとなり、なかなか「振り返りの時間」に辿りつけないという課題です(A4ではなくA3となりかさばるという点も)。さらに、内容が多義に渡るために、診断的評価と総括的評価で利用する同一の問いの設定が、以前よりもさらに難しくなっていました。

 

そこで、これらのことを解消するために、1枚ポートフォリオを当初の予定の半分のペース、つまり「生物基礎」と同じように、1枚あたり授業8回を半分の4回分にして「振り返りの時間」をより頻繁に入れることをクラスで提案しました。この提案は、歓迎とともに受け入れられました。

 

その後、すぐに「振り返りの時間」として、総括的評価のための問題を提示し、個別のフォローを行いました。1単元で使うポートフォリオが2枚となり、もはや2枚ポートフォリオとなってしまいますが…OPPAの体裁は保つことにしています。1枚目OPPAの総括的評価(最後)の問いは、単元の前半の内容を包括するものにします。そして、2枚目のOPPAの診断的評価(最初)の問いは、前半部分の復習を含むような問いにすることを考えています。2枚目の診断的評価の課題で2枚のOPPAをつなぐイメージです。

 

生徒から不安を訴えられると、モヤモヤすることもありますが、進度や授業方法の見直し、教材の工夫にも繋がります。また、生徒の「分かりたい」という気持ちが強かったり、言われたことを言われたとおりにやらない「考える素地のある生徒」の場合もあったりします。実際に、このような子が授業に馴染んだときに、際立ってチカラを付けていく場面も見てきました。

 

生徒自身も授業を作っているという実感を持ってもらうとともに、子ども達との信頼関係を構築しながら、よりよい授業を目指していきたいと思います。