チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

ストレス対処の特別授業 ~アサーショントレーニングとマインドフルネス~

ストレス対処の特別授業が行われました。対人関係スキルだけでなく、様々なストレスに実際に対処するための1手法を紹介したいと思い、マインドフルネスについての解説と実践を行ってみました。

 

【授業の流れ】

1.アサーショントレーニング(他部署の提案に沿って実施)(25分)

2.マインドフルネスについて解説と実践(15分)

3.共感的コミュニケーションスキルについて解説(実践は時間の都合上未実施)(5分)

4.ふりかえり(5分)

 

アサーショントレーニングについては、3つのステップで断る方法が紹介されていました(①感謝の気持ちを持って謝る、②私を主語に理由を述べる、③対案を示す)。また、いくつかのロールプレイも行いながら、体験的に学習できるようになっていました。「テスト前に自分も使用するノートを貸して欲しいと友達に言われた場合…」に断るというロールプレイ後、グーチョキパーアンケートで確認すると(パー:うまくいった、チョキ:まぁまぁ、グー:うまくいかなかった)、グーのペアが1つ…。ケンカになったと。そこで、うまくいった班の回答を紹介してもらいました。

(生徒の回答例)

①「ごめんね」

②「私も今日勉強するのに使いたいんだ」

③「帰ったらスマホで撮って送るね」

これならケンカにはならないだろうね、と確認ができました。

 

マインドフルネスの解説については、自らの経験なども交えつつ、生徒もアクセスし易いNHKスペシャル「キラーストレス」のホームページの記事を利用しました。ここには、トレーニングに利用する音声があるため、QRコードをプリントに印刷し、いつでもアクセスできるようにしました。トレーニングもよく取り組めていました。

 

【感想を一部抜粋】

・マインドフルネスを覚えてたまにやってみます。

・マインドフルネスをしたら頭の中を空っぽにして落ち着けた。

・マインドフルネスをやってみて、気分が落ち着いてリセットした感じになりました。忙しいときやキツイときに取り入れたいです。

・自分なりにリラックスできる姿勢を見つけようと思った。

・ストレスで頭痛や吐き気におそわれることがあるので、今日学んだことを実践していきたいと思いました。

・面接に追われてストレスが結構たまっていたけど、マインドフルネスをすることで少し気持ちが楽になりました。

・これからも役立つ内容で、生活の中に取り入れていきたいです。

・マインドフルネスをしたときに、今まであまり感じたことがない感覚を覚えました。あと、すごく眠くなりました。

 

これからの進路決定に向けた動きや、卒業後の新生活、さまざまなストレスを抱える生徒も多いと思います。生徒の反応もよく、紹介できて良かったと感じました。

 

【参考文献など】

NHKスペシャル、シリーズキラーストレス「第2回ストレスから脳を守れ~最新科学で迫る対処法~」http://www.nhk.or.jp/special/stress/02.html

地元でAL×特別支援講座を担当!

幼保小中高と様々な校種の先生方の連絡協議会に講師として参加いたしました。特別支援教育の視点については、参加者の方に持っていただき、私はほぼ通常通りの流れで研修会を進めることができました。

 

【ワークショップの流れ】

1.アイスブレイク(GCPおよび旗揚げアンケート、カタルタで自己紹介)

2.ALの背景、概要についてのワークおよび解説

3.AL体験(看図、ジグソー法)

4.特別支援教育の視点からの振り返り(えんたくん)

5.リフレクションおよびアクションプランの共有

 

【参加者のコメントより抜粋】

①AL体験について

・自ら学ぶ姿勢をもって勉強ができ、たいへん勉強になった。

・リラックスしているので、集中も思考もしやすい。

・主体的に取り組める。一生懸命に考えることができる。

ファシリテーターとしての役割が大きいと感じた。

・自分と異なる意見を受け止めたり、いろいろな考えを知ることができる機会になる。

②特別支援の視点から

・自由な発想を積極的に発表でき、互いを尊重しながら学ぶことができると感じた。

・よくしゃべる子は(発表で)おとなしい子は(文字で)それぞれが輝ける場をつくれる気がしました。

・発言が苦手な子でも周りの意見を聞きながら考えられるのは良いと思う。

・KP法では、視覚的な支援があり、いつでも振り返ることができる

・こだわりの強い児童生徒の考えも多様性のひとつとして全体に生かせる。

・自身のない子も楽しく学ぶ場が提供できそう。

・看図アプローチでは、学力差に問わず、学びを深めることができる。

・子どもたちが持っている隠れた力や才能を発見し、児童生徒理解につながる。

・参加が難しい子に対する手立てが必要になりそう。

 

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時間が2時間と短かったため、自分自身の実践については、授業の様子を紹介した記事を利用してジグソー法で実施しました。大阪での実践発表での反省を早速活かしましたが、うまく機能していました。

 

初めてのこともいくつかありましたが、担当の先生のサポートもあり、リラックスして研修会を行うことができました。さまざまなツールについても、好評でした。さっそく、学校でえんたくんを購入して職員研修に使いたいというお話も出ていました。今後、地元での活動も増やしていければ嬉しいです。

【大阪】KP法実践講座!~KPリレー初公開~

「KP法」著者の川嶋直さんとW講師という形での講座をさせていただきました。昨年度から主催者の今岡さんと3人で入念な打ち合わせの上で実施。準備段階から研修後まで、私自身学びの多いワークショップとなりました。

 

【スケジュール】

Ⅰ.午前(川嶋さん担当)

①KP法講座

②1枚KPを使った自己紹介

③個人でのKP作成(思考整理を体験)

④グループ内での発表+フィードバック

Ⅱ.午後(私の担当)

①グループでKP作成(合意形成を体験)

②KPリレー(KPR)で発表(KPセットをバトンに、全員発表)

③KPリレーのふりかえり

Ⅲ.ミニレクチャー(川嶋さん、私の担当)

・KP法を使ったアクティブラーニング紹介

・川嶋さんによる質疑応答コーナー

 

午前中は川嶋さんによるKP法講座。ここでは、個人でのKP作成(思考整理)や発表およびフィードバックの仕方について学び、同時に共通理解を持った上で午後の講座へとつなげる構成となっていました。

 

午後のKPリレーでは、参加者が教員だけでないことも視野に、私の中ではストレッチゾーンに近い5つのテーマを設定。昼休みに興味があるテーマに名前を書いて、時間短縮を図りました。

 

グループのKP作成では、かなりの意見の発散が起こっていましたが、それぞれが作成したミニKP等を、足したり引いたりしながら15枚程度のKPシートが70分程度で仕上がりました(合意形成)。

 

KPRでは、KPPT(KPポスターツアー)と異なり、人ではなくKPシートが動いていきます。そこで、同じ班の仲間のアドバイスがもらえる時間が設定されています(コソコソタイム、KKT)。

KKTについての参加された方からのコメント≫

こそこそタイムは大変役に立ったと思います。すべて終了後にもとのグループに戻った際に、自分の一つ前の人からのこそこそ以外にどんなこそこそがあったのかを皆で話し合えばよかったと今さらながら思いました。

 

【リフレクション】

KP作成時の適切なイントロダクション、個別また全体への声の掛け方、全体を見ながらの個別の介入方法など、ファシリテーターとしての振る舞いについて、川嶋さんの立ち振る舞いやアドバイスをいただきながら実践を通して学ぶこともできました。この貴重な経験に感謝です。

 

KPRは、やや複雑なワークにも関わらず、みなさんの協力のもと成功させることができました。意見の発散と合意形成過程を動的に観察することができた点でも、とても良い経験となりました。厳しい人数設定が必要なワークですが、さまざまな人数でも対応可能な方法についても考えることができ、次回以降のワークショップや授業に活かしていきたいです。

 

ミニレクチャーでは、共有の時間をとることができず、AL実践者としては、悔しい思いをしました。次に繋げます。

 

大阪自体を堪能する時間はあまりありませんでしたが、お会いしたかった方々とも交流でき、また素敵な新しい出会いもありました。これからの展開が楽しみです。

 

参加された皆さんに改めて感謝をしたいと思います。

クラスでの面接特訓!ワークショップ形式で実施

 就職する生徒がクラスの過半数を超え、切磋琢磨し合う雰囲気づくりを意図して面接練習もワークショップ形式で実施しました。一人で短時間で集中的に指導をする必要があったことも背景のひとつとなります。

 

【ワークショップの流れ】
①概要と目的を説明(全体5分)
②「Ⅰ.志望動機」について見直す(個人10分)
③ペアでジャンケンをして、面接官と受験生を決める。挨拶からスタートして練習。必ず1つは質問を入れる。
④面接官は、良かった点と改善のために愛のあるコメントを伝える。役割りを交代する(ペア10分)
⑤コメントを受けて再度見直す(個人5分)
⑥別のペアを組み③~⑤を繰り返す(ペア、個人15分)
⑦「Ⅱ.学校生活で頑張ったこと」について見直す(個人10分)
⑧③~⑥を繰り返す(ペア、個人15分)
⑨「Ⅲ.長所と短所」について見直す(個人10分)
⑩③~⑥を繰り返す(ペア、個人15分)
〈休憩15分〉
⑪「Ⅳ.違反質問」について確認(全体、個人、ペア10分)
⑫Ⅰ~Ⅳの練習を通して、「面接を受ける上で大切なこと」を考える。個人で考えたものをグループと全体で共有する(個人、グループ、全体10分)
⑬「面接を受ける上で大切なこと」を(1)内容(2)姿勢(3)気持ち、に分類し、今回の全体の気づきとして観点として共有
⑭「Ⅴ.自己PR」について見直す(個人10分)
⑮ペアを組み、ジャンケンをしてクラスを半分に分ける。勝った方が順番を選択する
⑯フィッシュボール形式で集団面接(30分)
 (1)受験生は試験監督である教員の前に一列に並び座る
 (2)残り半分はサブ試験官として、教員の周りを囲んで座る
 (3)挨拶後、順番に自己PRを話していく
 (4)サブ試験官は、⑬の観点を意識しながら、良い点をメモしていく
 (5)受験生全部の発表が終わったら、簡単にフィードバックを加え、役割交替
 (6)役割りを交代し(1)~(5)を繰り返す
⑰リフレクション(全体、個人10分)

 教員としての気づきも、要所要所でコメントしながら、全体で練習を進められるような声掛けを行っていきました。なお、ペアで練習する際には1回目の練習では同じ組み合わせでも可としましたが、2回目のペアは多様な組み合わせとなるよう1度も組んでいない者同士で練習するように伝えました。
 午前中3時間の練習であったが、互いに励まし合うような雰囲気の中、集中して取り組めていました。また、最後のペアでの練習時には、教員が外れて練習をしてもらったが、生徒だけで練習をすることができていました。他教員との練習も組み合わせながら、発展させていきたいと思います。

体験入学でAL型授業を実施~高校生アシスタントとつくる授業~

体験入学で、AL型の20分の授業体験を実施。中学生が楽しく学び、新しい気づきがあったと思えることと、本校の高校生も場づくりに参画し考えを深めることを目的としました。

 

ここでは、高校生アシスタントとして各班に1人ずつ入ってもらいました。アシスタントの生徒とは、事前に授業の流れや配付資料、気になる点などを教師と一緒に話し合う機会を設けました。ここで示す内容は、同僚の先生と事前に練り合っていましたが、生徒の声を反映してさらに手を加え本番に備えました。

 

【当日の流れ】(20分)

①自己紹介(2分)

②アイスブレイク(共通点探し、3分)

③看図アプローチ(麹菌の写真を利用、10分)

④資料の読み込み(写真の解答となるもの1分)…生徒の意見を反映させ作成

⑤まとめとリフレクション(4分)

※6回の授業終了後、サークル対話にて振り返り会

 

ここでは、看図の解答が、学校の各学科の活動と実は繋がっていることに気づくようデザインしています。授業後のリフレクションでは、このような形式の授業を今後も受けたいと答える生徒は95%以上という結果でした。

 

アシスタントの生徒たちは、それぞれ難しさを感じつつも、介入の頻度や方法を考えながら役割りを果たしていました。中学生が徐々に打ち解けていく様子や帰り際に笑顔になる様子を見て、良かったと話しており、一緒に場づくりをしていく楽しさを私自身も感じることができました。

 

振り返り会では、写真の鮮明さが答えの質に影響がある点などを含めさまざまな気付きが共有されました。

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資料作りに関わった、アシスタント以外の生徒が案内役で教室に入り授業を一緒に受ける場面がありました。そのとき、自分たちの意見が反映されている資料を見て、とてもよい笑顔となっていたのが印象的でした。

 

通常の授業ではなかなか出来なかったことがいくつか実現できた授業となりました。

熊本地震を受けて ~特別公開授業「地震と人間生活」~

熊本地震後の初めての授業。このまま、通常通り授業はできないという思いと、ここ数日のことを伝え、一緒に考えたいという思いから、特別公開授業として「科学と人間生活」の中で授業を行いました。授業フレームについては、知り合いの社会の先生の授業を追試する形で、さらに知り合いの英語の先生との交流の中で生まれたアイディアを組み込んでいます。また、校内でも多くの先生方と実践や思いを共有できたらと考え、急でしたが公開授業の形を認めていただき実施できました。

 

【授業の流れ】

1.被災地の状況について①(10分)

2.意見交流と質問づくり(30分)

 (1) 地震後の気持ち

 (2) 周囲の現状

 (3) 質問づくり

   質問の焦点(テーマ)「被災地のニーズに合わない支援」

3.被災地の状況について②(5分)

   現在の被災地の状況を生徒の質問に緩やかに応えながら話していく

4.リフレクション(5分)

 (4) 今私たちにできること、大切なこと

 

【質問の例(一部抜粋)】

 ・被災地全てに支援物資が届いているのか?

 ・どのような支援が喜ばれるのか?

 ・被災地に必要のないものは何か?

 ・被災地と呼ばれる基準は何か?

 ・被災地の支援を考えない視聴率を気にした放送が行われるのはなぜか?

 ・どういうことが支援になるのか?

 ・なぜ支援がニーズと合わなくなるのか?

 ・どうして避難所でなく車中で生活をするのか?

 ・お金と物とではどちらがありがたいのか?

 

【生徒のリフレクション(一部抜粋)】

・いつか終わる。もとの姿に戻ることを信じることが大切。もとに戻るまで何年もかかるかもしれないけど、踏ん張っていくしかないと思っている。すぐに行くことはできないけれど、最低でも不安にさせるような文を(SNSなどで)まわしたりしてはいけないと思う。

・とても怖くて不安だったけど、被災地はもっと怖かったと思います。不安を感じている人も多いと思うので、そういう人を励ますなど支援をしていきたいと思います。

・現地では、食料が不足し、一世帯にコップ1杯程度の豚汁しか配給できていない状況でした。今私たちにできることはとても少ないですが、励まし合い助け合っていくことが大切だと思います。

・私たちは被災者に物を届けたりすることよりも被災者の心の傷を少しでも癒やしてあげることをした方がいいと思いました。大切なモノや人を失いたくさん傷ついていらっしゃると思うし、苦しまれていると思います。

・今は支援物資を送ったりするよりも、募金をした方がよいと思いました。1日でも早く元に戻れるよう、募金活動をしたいです。

・時間が経つと災害のことを忘れていって、支援活動が減ってしまうと思うから、少なくとも私たちだけは忘れずに募金や支援物資などできることを続けていきたい。

・普段の生活が当たり前なことだと思わずに、幸せなことだと思うようにしたいです。

・自分や家族、友達みんなの命は一番大切だと感じました。みんなと今過ごしている時間や、物が食べられることを大切にしたいし、感謝したいです。

・今普通に学校に通えていることに感謝して過ごしたい。

被災地の状況をしっかり把握し、その場所で足りないもの、望んでいる物をしっかりと考えるようにしたい。ボランティアなどができる状態になったらすぐに行けるようにしたいと思いました。

被災地の状況の変化は早く、きちんと状況を考えて支援するべきだと思いました。

・今の熊本の現状を身近な人に正しく伝えることが大切だと思います。

・まわってきた情報をすぐに信用しないことが大切。

・時間単位で必要な物は変わっていくこと。

・不安なことはわかるが必要以上に買い占めたりしない。

チェーンメールのことで、先生の話しを聞いて安心しました。デマや本当かわからないことを流さないことが大切だと思います。

 

合計4クラスで授業を行いました。ここでは、経験したことを伝えながら、科学的かつ冷静な視点で見極めることの重要性、仕事の尊厳や生き方などキャリア教育の視点も意識して取り組みました。最初の授業は担任をするクラスで実施しましたが、被災地の状況報告を聞きながら涙ぐむ生徒もいました。わたし自身も、感極まり言葉に詰まってしまう場面もありましたが、体当たりで無事に授業をすることができました。これから教育活動を通して何ができるのか、どう生きていくのか、引き続き生徒とともに考えていきたいです。

 

【参考文献】

明光学園高等学校 特別授業「地震と人間」レポート(2016年4月18日)教育ICTリサーチ ブログ http://blog.ict-in-education.jp/entry/2016/04/18/171833

大学でのシンポジウムに登壇~高校でのAL実践者として~

3月は、2回の北海道大学九州大学で行われた2回のシンポジウムにパネリストとして登壇させていただきました。ここでの様子と感想をまとめておきたいと思います。

 

北海道大学でのシンポジウム「自然科学のためのアクティブラーニング」】

北大の先生方の生物や数学における試行錯誤の過程は、コンテンツは違うとはいえ、ALでのつまずきや気づきは似ていて、共感を持って意見交換が出来ました。さらに、東京大学のKALSでの講義について話が伺えたことは、嬉しかったです。

 

北大の先生方の寛容で熱心な雰囲気の中、私は1時間をいただき、ワークを入れながらの講演を行いました。大学の先生方を対象にした場は初めてでしたが、とても心地よく進めることが出来ました。

 

その結果(?)予想以上に時間を使ってしまい、予定していたワークの一部等が時間内に収まりきれないという初めてとなる経験をしました。しかしながら、柔軟にプログラムを変更していただき、最後の話し合いの時間も確保してもらえました点は、感謝の一言です。

 

今後、その場に即した柔軟性のあるスライドづくりを少し意識していこうと思いました。パネルディスカッションでは、リフレクションについての最先端の問いかけがパネリスト全体に投げかけられ、その後有意義な意見交換が出来ました。懇親会では理学ならではのコアなお話も伺え楽しい時間を過ごせました。

 

北大のAL推進室のみなさん、パネリストのみなさん、参加されたみなさんに再度感謝したいと思います。

 

【電子情報情報通信学会シンポジウム「教育の改革に向けて」】

大学での実践発表を伺い、その背景などについても理解することができました。

 

ここでの持ち時間は25分でしたが、スライド枚数を絞り込み、参加者が活動する時間を講演時間に入れ込みました。会場は、普通に学会の雰囲気でしたが、コーディネーターの先生からも快諾をいただき、思い切って実行できました。通常の講演会にALの要素を入れるという、裏目標も達成できました。

 

お声掛けいただきましたこと、また急なワークに参加していただきました会場のみなさんに感謝いたします。

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【メモや雑感】

両シンポジウムでの、パネルディスカッションでのフロアからの意見や会期中のやりとりを通して。

○全ての授業でアクティブラーニングが実施された場合には、AL疲れのようなものが起きないのか?というか、現在感じている。

→ 講義や詰め込みでの疲れを危惧してALをスタートさせている方も知っている。しかし、AL疲れが起きるまで浸透する際には、特に効果的な時間割を学校全体で考える必要が出てくるのではないか?効果的な配置については、試行錯誤と経験知が欲しい。

○学生側からすると、未完成なALで失敗をして貰ったままでは困る。

→改善のためのサイクルが回せていない状態は確かに厳しいかもしれない。一方で、学生と教員が試行錯誤する過程は意味があると考えているし、それを保証しない場合には、ALの視点からの授業改善は難しくなると感じた。また、一方が失敗と感じていても、本当に失敗なのかは分からない。

○効果的なリフレクションの実施方法とは?形骸化したリフレクション活動と出会うことがある。

→モチベーションを考えると、外的評価と結びついた際には、本来のリフレクションが難しくなる可能性はある。また、取り組む意義を感じられる仕組みは必要。リフレクションは強力なツールには変わりはない。実践を通した研究が必要。

○全ての教科に関心を持ち、本当の意味でアクティブになる必要はないのでは?

→担当する側からは、少し寂しいが確かにそうかもしれない。苦手を人並みには伸ばし、いくらでもチカラが使える分野や活動を知るためには、あらゆる教科で、生徒が主体的に学べるチャンスが必要になりそう。

 

これからも継続的に実践を通して考えたり、解決に向けて頑張りたいです。貴重なやり取りをありがとうございました。しばらくは生き方と結びつける授業実践についての研究がテーマとなりそうです。