チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

3年生からのメッセージ~KP法による発表および全体共有~

1、2年生を対象に行われている、3年生からのメッセージと題したミニ講話。これからの進路選択に活かしてもらおうという企画です。今回は、25分間×3回(10名~20名程度)で参加者が変わっていくというものでした。単に話しを聞いて終わりということでは、発表者と聞く側にとっても負担感が大きくなるため、次のような方法で実施してみました。なお、ここでは机は無くし、椅子だけで黒板のまわりに半円のサークルを作って教師も講師もその輪に入って実施しました。

 

【会の流れ】

① 講師紹介(3分)

…3年間頑張ってきたこと、成果などを教師から後輩に伝える(2名)

GCP(グーチョキパー)アンケート(2分)

(1)就職(パー)進学(グー)悩み中(チョキ)で、参加者に答えてもらう

(2)関心のある仕事についても、同様に答えてもらう

③ 3年生からKP法を利用した発表(5分)

 …会社のこと、志望した理由、苦労したこと、アドバイスなど

④ 対談(5分)

…主に教師がその場で質問を投げかけ、3年生とフリーに話すスタイル

⑤ 参加者による振り返り(5分)

 …全員がA5用紙にプロッキーで、気づき・感想・質問をできるだけ具体的に1文にて記入(A5カクハル)。出来た人から教師に渡す。教師は、分類しながらまた講師と確認しながら黒板に貼る。

⑥ 振り返りの共有(5分)

 …全体の傾向を簡単に振り返り、質問に対して教師との対談形式で答えていく。場合によっては参加者からも補足の発言を求める。

 

【意図等】

・講師紹介では、普段関わりの無い後輩に人となり、背景を伝えるとともに、努力を承認することを考え実施しました。

GCPアンケートでは、会場側の参加を促すことと、状況を把握し、会の進行が円滑に行えるようにすることを意図しました。同様の流れで、連続3回の実施でしたが、3回目で誤ってここを飛ばしてしまった際には、GCPアンケートを実施したときに比べて、やや発表がしにくさを感じている様子が伺えました。発表後にすぐに全体に尋ね、対話でのヒントとしました。

・発表方法については、パワーポイントや他の手法のうちどれが良いかを3年生に尋ねると、すぐに「KP法でやりたい!」と回答がありました。負担感も少ないようで、思考を整理しながら、伝えたいことを的確にまとめることができていました。

・参加者は、普段関わりの薄い集団内で、手を挙げて発表を行うのは難しいことが予想されたため、A5用紙での共有を採用しました。実際に、すべての生徒がそれぞれ感じたことや考えたことを書いて、全体で共有することができ、質疑応答もスムーズに進行することができました。3年生の努力に感心するコメントも多く出されたことは、登壇者にとっても良かったと感じました。

 

KP作成については、介入無しに非常に良いものを作ることができていたと思います。また、発表者同士の協力や練合いも行われており、これまでの活動の成果が存分に発揮されていました。実際に、分かりやすい説明で驚いた、という気づきを書いている後輩もいました。また、地域に対する思いやこれまでの活動が、将来の仕事選びと結びついていることに気づくこともできていたようです。

 

十分にメッセージが伝わっていることも、可視化することで、確認し合うことができました。後輩たちは、真剣に聞き入っていました。また、発表後の生徒の清々しい様子を見て、担当として一緒に場づくりができたことを嬉しく感じました。

 

※KP法、GCPアンケート、A5カクハルは、いずれも川嶋直さんより。