チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

校内授業づくり職員研修~校内授業デザイン会、一斉授業見学、振り返り会~

 教育改革を進める上で、授業づくりは核となる部分だと考えています。しかしながら、それをひとりで進めていくのは、大変です。そこで、職員研修として日頃から理科室で行っている研究授業時のチームでの検討会等の方法を全職員で共有することとなりました。記録も兼ねて残しておきたいと思います。なお、この全体会を実施する前に、理科での実施の様子を十数名の先生方に見ていただいていました。

 

①『授業デザイン会』

 5人の授業者が立ち、授業の事前検討ではサポーターの進行と記録のもと、教科を越えて10名前後の先生方と練り上げました。サポーターは、グラフィッカーおよびファシリテーターを兼ねています。次のように進めていきました。

(1)授業者から本時の目的・目標を話してもらう。

(2)(1)を達成するための授業の内容、仕掛け、発問等を話してもらう。

 

 わたしは、食品製造の「パイ生地の製造原理」の授業のサポーターで入りました。(2)では、(1)がその流れや手法でうまく達成できるのか、提示の順番は適切か、さらにKP法の活用、シンク・ペア・シェアや折り紙を使ったグループでの思考、膨らむ食品の中での比較や位置づけを利用したまとめなど…次々にアイディアが出されました。

 

 参加者からは、「楽しかった〜」と好評でした。授業者からは次のような感想が聞かれました。

 

 「1時間程度で授業の流れや落とし所が決まり、ひとりで研究授業の準備するときの何倍も楽でした。そして、グラフィックに描いていただくことで、全員でアイディアを出し合えました。さらにひとりではなかなか出来ない新しいことに挑戦するチカラにもなりました。」

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②『一斉授業見学』

小林昭文先生による授業見学用ワークシートを準備して、見学者には記入を依頼しました。なお、見学時には次のようなルールを設定し教室の前に掲示しました。

「授業見学の方法」

(1)授業デザイン会で練り上げた問いがうまく機能しているか等を観察する

(2)(1)と関連し、グループ活動中等に生徒に介入しない

(3)効果的だった内容や自分でやってみようと思うことを授業見学用ワークシートに分類しながら記入  ※ふり返り会の材料を集める

こちらもうまく機能していました。なお、利用したシートはこちらです。

http://souken.shingakunet.com/career_g/2014/12/2014_cgvol405_dl07.pdf

 

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③『授業振り返り会』

 授業者5名とサポーター1名、参加者10名前後による5島での振り返り会を実施しました。ここでも、グラフィッカーによる記録が機能していました。振り返り会の方法は、基本的には小林先生のものを利用しています。

http://souken.shingakunet.com/career_g/2016/09/post-135a.html

 

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(1)KP法で授業デザイン会や振り返り会の意図を伝える(3分)

(2)各島のファシリテーターによる進行。まず授業者に意図、良かった点、改善したい点、ヒントを得たい点等をはなしてもらう。(3分)

(3)次に、参加者から良かった点を次々と挙げてもらう。(15分)

(4)さらに、参加者から建設的な質問を次々と挙げてもらい、質疑応答。(15分)

(5)早く進んだ班は、全体を通しての気づきや感想をあげてもらう。

(6)机をアイランド形式から、通常の配置に戻した後、授業者へのラブレターを書いてもらう。ここでは、アドバイス等もできるがラブレターであることを伝える。

 

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 ここでも、それぞれのグループで活発な意見が出されていました。会が終了してからも、和やかな雰囲気の中、授業者はメモを懸命に残されたり、ホワイトボードをスマホで撮られたりしていました。授業者が元気になる、また他の方が次は自分がやってみたいと思えるようにするという目的も果たせていたように感じました。