チームで学ぶ!高校生物

“アクティブラーニング型授業”実践、職員研修の記録

テキストマイニングツールを利用した単元の導入~診断的評価および動機付けとして~

テキストマイニングツールを利用した単元の導入を試みてみました。ここでは、ウェブ上で分析ができるUser Locaのテキストマイニングツールを利用しました。http://textmining.userlocal.jp/

 

【手順】

テキストマイニングについて簡単に説明を行う。

②教科書のこれから学習する単元の全テキストデータをそれぞれの生徒が分析する。

③データをもとに次の問いに応える。

 (1)多く出てくる単語、また気になる単語は?

 (2)単語同士のつながりから、どのようなことが予想されますか?

④グループで意見交換を行う。

⑤気づきと感想を記入

 

【単語同士のつながりから予想されること】

外来種が生態系に影響を与えている。

外来生物の多さ。

外来生物が生態系内で増えている。

・栄養は食べることで身体にと入り込まれる。

・生物は生産者と消費者の関係で成り立っている。

・生態系のバランスに影響を与えていること

 

・大気の濃度によって生物に及ぼす影響が異なる。

二酸化炭素は有機物と関連している。

・栄養は消費者と関係している。

・私たちの生活には動物が関わっている。

・生態系の生物は多様性である。

・消費者が食べることで、生態系が成立している。

 

【気づきと感想】

(1)内容に関するもの

◯生態系からいろいろな単語と繋がっている。

◯植物は地球に関することとのつながりが多い。

◯人の生活には生物が関わっている。

◯生物が生物に影響を与えることで生態系に変化が起きている。

◯生物は何かしらの影響を受けている。

◯生物にはたくさんのことが影響している。

◯生態系はたくさんのものと関係している、つながっていることが分かりました。

 

(2)テキストマイニングに関するもの

◯一つ一つの単語がそれぞれ関連していることがわかる。

◯長い文章でも、テキストマイニングによって、単語がすぐにでてきて簡単にまとめられるのでいいと思いました。

◯単語同士の繋がりを見ることで、何かを予想できることを初めて知り驚きました。

◯出てきた単語にはよく聞くものとそうでないものがあり、今までは考えきれなかった面白い繋がりがあり、興味を持った。

テキストマイニングを使うことで、最も大切なことや言葉同士のつながりが分かりやすく見られた。

テキストマイニングを使うことで、多くの情報がコンパクトになり、情報を読み取りやすかった。

⚫自分には難しく理解することが難しかった。線の意味が気になった。

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テキストマイニングツールをそれぞれが利用し、結果が出た時点で歓声が上がり、興味深そうに使っている様子を伺えました。一方で、(2)の問いになると、これまで持っている知識も活用しながら類推する必要があるため、外来生物が増えていることや、生態系のバランスについては読み取れているものもありましたが、単語同士の繋がりがあいまいなものや十分な文章にまで落とし込むことが難しい場面も見られました。

 

一方で、新しい単語同士がどうつながっているのかについて興味を持つ生徒もおり、ここで作った文章を診断的評価として利用し、単元を進める中で自ら修正を加えていくことが可能かと思われました。さらに、自分でつくった文章を利用した質問づくりから進めるというやり方も考えられそうです。

 

テキストマイニングについては、教材活用のさらなる可能性を継続的に探っていきたいと思います。