校内研修でのファシリテーション
校内の職員研修(人権教育)のファシリテーターを務めました。勤務校でのワークショップは初めてであったため、協同学習のツールも利用して、次のようなフレームで進めていきました。ここでは、アクティブラーニング(協同学習)の手法の伝達も少し意図してみました。
1.人権教育の概要説明(他の教員から15分程度にて)
2.ワークショップの説明
① グラウンドルールの設定
○自分の尊重
・ 言いたいことは貯めずに言ってよい
・言いたくないことは言わなくてよい
○他者の尊重
・ 積極的な参加を
・ 1人で話しすぎない
・ 誹謗中傷はしない
○秘密厳守
※ 発言内容は、この場かぎりで(安心・安全の場の確保)
② 4人1班、座席番号と役割分担の指定(司会、記録、発表者、タイムキーパー)
(座席は、経験年数が分散するように指定)
3.ワークショップ
① アイスブレイク~自己紹介~(氏名(ひと言解説)、人権教育の経験について
:1人30~1分程度)【ラウンド・ロビン】
② 人権教育に関する6つの問いを個人でざっと考える(1分程度)【個人思考】
③ 6問中3つの問いを指定し、各班1題を担当する。【エキスパート活動】
④ 個人思考(5分)付箋にアイディアを記入
→グループ活動(15分)摸造紙に付箋を貼りながら議論
(それぞれの意見を一通り出した後はバズ・セッション)
⑤ 3つの問いについて、いくつかの班に意見を求める(1班90秒)
【ジグソー活動】
⑥ 全体に投げかけ、コメントを受け付ける(まとめ)
4.振り返り
今日学んだこと、活動の感想を記入(3分)
【リフレクションカード(ミニッツ・ペーパー)】
※小さな工夫
・最初の段階で、座席番号を確認する際に、「1番の人」手を挙げてみてくださ
い。次に「2番…」という具合に、身体の動作を伴う参加を参加者全員行い、参
加者としての自覚を促した。
・グループでの話し合いの終了については、ファシリテーターが挙手をし、それに
気づいた人が次々に手を挙げ、正面を見ることで終了の合図とする手法を用い
た。
・積極的な介入は行わないように心掛けたが、参加者の表情の変化を観察しなが
ら、1度だけ「司会を担当されているのは、先生ですか?」と役割を尋ねて、話
し過ぎを防ぐ対策を行った。
・代表の班を選ぶ際と最後のコメントを受け付ける際には、「伝えたい方はいます
か?」まず全体に尋ね、最初から指名は行わないようにした。
・摸造紙のまとめ方の大まかな型をあらかじめ示した。
・摸造紙に班番号を、鉛筆で記入しておいた。
・問いの解答となる資料については、感想記入時に配付し、自由な議論を妨げない
ようにした。
活動に関する感想では、「このような形式の研修は初めてで、積極的に参加できた。」「とても話しやすい雰囲気だった。」「普段話をしない先生と話が出来て楽しかった。」「座席のメンバーが多様で絶妙だった。」といったコメントを頂きました。
先生方も積極的に話し合いをされており、時間が短く感じている様子がよく伝わりました。次回行う際には、傾聴についてのグラウンドルールを設定し、さらに話しやすい雰囲気を作りたいと思いました。また、時間に余裕がある研修の場合には、コメントや質問を拾うためにA4の紙を配付したり(KP法)、ワールドカフェ形式での実施もやってみたいです。
参考文献
福島 毅(2014)どんぐり教員セミナー068改訂版”ミーティング参加者の心得(教員のための会議ファシリテーション12)”
https://www.youtube.com/watch?v=kDBPEMTBQU4&feature=youtu.be
安永 悟(2012)「活動性を高める授業づくり―協同学習のすすめ」医学書院