【読書記録】松下佳代『ディープ・アクティブラーニング:大学授業を深化させるために』
ALを実践していて感じることのひとつは、生徒の活動はアクティブなだけでなくきちんとしたラーニングになっているのかということです。その点について、理論と実践を踏まえながら大学での実践が丁寧に紹介されています。
どの章も参考になったのですが、特に気になったのは、第6章「コンセプトマップを使った深い学習」です。
コンセプトマップは毎回の授業で利用していますが、生徒がテキストを読みこみながら考えた思考の過程を残し、知識同士を関連付けしながら理解を進めることが出来るという点で有効性を感じています。その一方で、書き方の指導は出来るものの、どのように評価するのかが難しく、その結果として生徒の到達点が示しにくいなと感じていました。そこで、いくつかのコンセプトをあらかじめつないだものを印刷して利用したり、最低限利用して欲しいコンセプトを語群で与えたりすることもありましたが、別の手法がないかと考えているところでした。
本書の中では、ルーブリックを利用した新しい評価方法が 紹介されています。ここでは、「コンセプトの理解」「コンセプトの創出」「リンクの構造」「リンク語の適切さ」「中心テーマとの関連性」という5つの基準と4つのレベルが示されています。
大学の哲学の講義でのルーブリックであったり、評価の時間や誰が評価するのかという課題はつきまとったりするため、高校の毎回の授業で活用するには工夫が必要ですが、今後のコンセプトマップを利用した授業を改善していくためのヒントになりそうだと感じました。
ディープ・アクティブラーニング: 大学授業を深化させるために
- 作者: 松下佳代,京都大学高等教育研究開発推進センター
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2015/01/22
- メディア: 単行本
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